アート・ペッパーは亡くなる1年ほど前に間近で観ました。  ライブハウスは超満員でした。僕の直ぐそばををすり抜けてステージへ向かいました。 オーラを感じたと言うのか、とにかく怖い印象でした。

•Art Pepper - Intensity (Contemporary S 7607)
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Art Pepper (as) Dolo Coker (p) Jimmy Bond (b) Frank Butler (ds)
Los Angeles, CA, November 23 & 25, 1960

A
I Can't Believe That You're In Love With Me
I Love You
Come Rain Or Come Shine
Long Ago
B
Gone With The Wind
I Wished On The Moon
Too Close For Comfort

このレコードはレスター・ケーニッヒ(コンテンポラリーレコード、オーナー・プロデューサー)が保証人となり、保釈されて直ぐに録音されたものです。
『ストレート・ライフ』なる彼の自伝によると、1950年頃から麻薬(ヘロイン)の常習者となり、この60年には何度目かの逮捕後、刑務所内でも麻薬を使用し、独房に何日も入れられたりと精神的にも肉体的にも最低の状態ではなかったのかと思います。 
既に35歳になっていた彼は重度の麻薬中毒者であったようです。

しかし、このレコードはどうでしょう! そんな、恐ろしくも寂しいジャンキーとはとても思えない、稀代の天才アルト奏者がここに居ます。

A1『恋のため息』から、こんなにロマンティクに唄えるんですね~。
『I Love You』も然りですよ! 
次の『カムレイン~』も素晴らしいです。
そうです、全曲が素敵なのです。 選曲はペッパーの得意曲をと、レスと共に決めたのではないかと思います。
メンツがまた素晴らしいのです、ジミー・ボンド、実力者ですねー豊かな音色でサポートします。
ピアノのドロ・コーカーはなんだかハッピーな音色とフレージングですね、このアルバム全体を明るく仕上げているように感じます。
バトラーのドラムも勿論、申しぶんなく良い出来ですね。

B面も『風と共に~』から、最後の『トゥー・クロース・フォー・カムフォート』これがまた良いのですよね~!!
暖かく優しさに溢れた、良いレコードだと思います。

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この後直ぐに、地獄のサンクエンティン刑務所に収監されるのです。

60年代に録音はありますが、本格的な復帰は70年代後半となるのですね。

この奇跡の復活を遂げた事で、僕らは幸運にも『新しいアート・ペッパー』に会うことが出来たのです。

アート・ペッパーは愛すべき人間だったのでしょう。 僕はアルバム『再会』のジャケ写真が好きです。
アートにキスするバトラーを見てアート・ペッパーという男を見るのです。
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コメント

M54さん、こんばんわ。
ペッパーは・・・ほんとにいいですね。好きです。パッと浮かんだメロディを思いのまま吹く(吹けてしまう!)・・・まさに天才の閃き(ひらめき)ジャズですよね。このレコード~僕はキング盤かで聴いてるだけですが、それでも、<ジミー・ボンド、実力者ですねー豊かな音色で~> これは当に同感です! ぶっとい音色と弾むようなビート感。いいべース弾きです!自分の趣味では、ルロイ・ヴィネガーよりも好きかなあ。でも・・・参加レコードが案外に少ないような。この「インテンシティ」セッションの未発表テイクだった「枯葉」(後年、1970年頃に発売された The Way It Was に収録)も素晴らしい名演ですよね。

URL | bassclef ID:IpV4Zmhs[ 編集 ]

Re: タイトルなし

bassclefさん、こんばんは。 コメント、ありがとうございます。
ジミー・ボンドで意見が合いましたね(笑) 良いベースだと思います、僕も好きです。
沢山のレコードは僕も知りませんが、チェットやエルモ・ホープ、他には? 思い浮かびません。

ペッパーは >パッと浮かんだメロディを思いのまま吹く(吹けてしまう!) こんな表現をしたかった(笑) このジャズって言う音楽は素晴らしいですね! 天才はその状況で必要とされて、現れると言いますがこの頃までですかねージャズに天才が現れたのは・・そんな気がします。

URL | MINGUS54 ID:-

MINGUS54 さん

 こんばんは
 MINGUS54 さんに触発されて私も数少ないジャズのLPの中からアート・ペッパーのものを3枚ほどひっぱりだしました。ライナーノートを見て感じたのは、アート・ペッパーは本当に人生の大半を麻薬と戦ったのですね。残念ながらIntensityはありませんが、他のレコードを聴いて、アート・ペッパーの天才肌を感じました。ベサメ・ムーチョがよかったです。

URL | mikitaka08 ID:-

Re: タイトルなし

mikitaka08さん、こんばんは。 何時もコメント、ありがとうございます。

僕もですよ~最近はオールディーズばかり聴いています(笑) 今日は久しぶりに、『アメグラ』を聴きましたよ~懐かしいさに うるうる でしたヨ!
ミキタカさんに結構、感化されています(笑)

>アート・ペッパーのものを3枚ほどひっぱりだしました。 
ペッパーは良いですね、これはジャズに限らずでしょうが、音楽好きは自然と判るのではないでしょうかね、その歌心ってヤツが! なんて、思います。


URL | MINGUS54 ID:-

ペッパー・ライブ

M54 さん、こんばんは。

アート・ペッパーは1981年に観ましたが、それまで聴いたライブのベスト3に入る内容でした。「ベサメ・ムーチョ」はかつてのような艶はありませんし、「ストレイト・ライフ」にしても立て板に水のスピードもキレもありませんでしたが、それでも心を打つ素晴らしい演奏でした。ペッパーという人間に惹かれるからかもしれませんね。

ペッパー・アダムスの次にアート・ペッパー、次はアート・テイラーか。(笑)

URL | duke ID:-

Re: Re: ペッパー・ライブ

> dukeさん、こんばんは。何時もコメントありがとうございます。
> 僕も81年だったと思います。 当時は演奏の質がどうだったか等は考えていなかったですね、只、あの、『モダンアート』の『ミーツザ~』のアート・ペッパーが生で観れる! とそれだけでしたね~。
> 憶えているのは、ペッパーの顔が怖かった事と、ライブ前日に会ってサインしてもらった、ジョージ・ケーブルスが小柄でとても優しい男だったって事ぐらいかな。
>
> 僕は何時も思うのですが、僕らは完成されたレコードをそれなりに聴いていますので、ライヴに求めるものは、何だか違うモノを求めているような・・特に大物では(今回のポール師匠も)ジャズメンの多くはもう亡くなってしまいましたが(僕の言うジャズメンとはかなり古く限定されていますが)ロリンズもそうでしたが、もー観るだけで・・全てOK・・
> ペッパーも最後に観ることが出来て良かったと思っています。 チョッと長くなりました(笑)

URL | MINGUS54 ID:-

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